地方自治(自治研活動)
地方自治研究活動
「自治研」とは、「地方自治研究活動」の略語です。自治研は、1957年から自治体労働組合と住民が地方自治拡充にむけて自主・自治で積み重ねてきた研究活動です。
私たちの政策研究、行政実践のとりくみには多数の学者・研究者・市民団体の方々が参加しています。総務省・他からの役所仕立て情報ではなく、住民視点の自治体情報の掲載をめざしています。ここに、その一部を紹介します。みなさんの研究成果もお知らせください。
★自治労連埼玉県本部では
「第43回埼玉自治研集会(2024年6月30日)」を開催しました★
☆自治労連(全国組織)が隔年開催している
「第17回自治研全国集会(10月5~6日)」のご案内はこちらから☆
第43回自治研集会(2024.6.30)
集会テーマ「ともにつくろう 住民本位の自治体を」
県内各地、多様な職種の自治体労働者が集まり展望を語る
6月30日(日)、「ともにつくろう 住民本位の自治体を」をテーマに開催した「第43回地方自治研究集会」には、19の単組と地域の団体から74名が集まり、これからの地方自治と自治体労働者の仕事を考え交流しました。
記念講演では、前滋賀県日野町長・藤澤直広さんが、「いま、自治体で働く意義を考える ~憲法の視点から~」をテーマに、住民や職員とともに住民本位の自治体づくりに取り組んだ豊富な経験を縦横に語り、参加者を力強く励ましました。
午後は4つの分科会を開催しました。①「市民とともに公共サービスを守る」、②「福祉職場における専門性と働きがい」、③「これからの公立保育所の役割って何?」、④「地方自治を“原点”から学ぶ」を各テーマに、それぞれの課題を掘り下げ、意見を交換しました。自治研集会に初参加の組合員も多く、単組の垣根を超え、憲法を軸に、自治体を現場から、市民とともに変え、公務労働の魅力を作っていく自治研集会の意義を改めて確認することができました。
2022年10月に開催された「第16回自治研全国集会」の模様は
こちらからご覧ください
これまでの自治研集会
第42回自治研集会(2023.6.25)
集会テーマ「地方自治と公務労働の専門性を守ろう」
いま自治体の現場は、コスト至上主義の民間委託・指定管理推進の弊害、職員削減と長時間労働、マイナンバーカードなど国からの圧力で自治体本来の業務がますますゆがめられ、住民ニーズ実現のための自治体独自の政策がとりづらくなり、仕事のあり方にも深刻な影響を及ぼし、住民ニーズをつかみ実現するという自治体労働者の「専門性の軽視」が進んでいます。
集会では、県内各地の単組や専門部会から、「専門性を守り、生かす」実践として10本の報告があり、それを受けて討論を深めました。
県本部保育所部会からは、所沢市の保育士が、今年行ったイタリアでの保育視察を報告し、現場の保育者一人ひとりの裁量権の大きさに驚き、「自分の言葉で保育を語る必要性」を痛感したことがいきいきと語りました。さいたま市の保育士は、現在市が進める公立保育園の半減化計画を危惧し、「私たち自身が市の保育、保育園がどうあるべきか、ビジョンを描き、語る」必要性を訴え、「子どもが減るならば配置基準の改善、落ち着いて過ごせる集団規模で穏やかに保育できる環境を作っていけばいい」と提起しました。
学童保育指導員労組からは、指定管理者に民間営利企業が参入したことで保育の質の低下がおきている現状を報告。「誰でもできる仕事だと思ってもらっては困る。私たちの頑張りがあってようやく今がある。でも頑張りももう限界」としながらも、あきらめずに今後の取り組みの展望を語りました。
草加市職労の学校給食調理員は、小学校給食の直営を市民とともに長年守ってきた組合の運動を紹介。「継続した運動を進めていくためには、同じ思いを持った仲間を増やし、住民まかせにせず自治体労働者・労働組合がけん引することが大切」と強調しました。
富士見市職労の公民館職員は、憲法啓発事業の取り組みについて「市民の学びの場を確保していくことを止めないでやっていきたい」と展望を語りました。入間市職労の学校給食調理員は、給食費無償化の運動について「無償化が目的の運動では一過性の取り組みに終わる」とし、4月に市民とともに「いるま給食応援ネット」を結成。直営を堅持し、安全でおいしい入間市の給食の維持・発展、地元農産物の活用等をめざす決意を述べました。
助言者の久保貴裕自治労連地方自治問題研究機構・主任研究員は、昨年の総務省調査で、自治体職員の若年層の離職が近年急増している結果を紹介。「魅力ある公務職場をどう作るかを考えよう」と問題提起しました。
第41回自治研集会(2021.12.19)
集会テーマ「お達し自治体DXで、わくわく職場・地域になるの?」
第41回自治研集会では、「自治体DXはどこまで進んでいるか」「自治体DXの建付けと正体を考える」埼玉県の動き、埼玉版スーパーシティ」「各市町村の動きはどうなっているか」「自治体労働組合・職員はどうすべきか」について、現在の状況を確認し、考え合いました。
科学の進歩の到達としてのIT技術は、生活を豊かにするという意味で、積極的に活用すべきです。しかし、今政府が進めるDXは、その背景に財界戦略があります。自治体DXもこのまま進めば、マイナンバーを基本に様々な個人情報をひもづけし、公民共同で活用し、儲けネタにされます。全国的に標準化されたシステムは、かえって住民サービスが後退する自治体も出てきます。セキュリティも大問題。一番問題なのは、国民・住民が知らないうちに、ことが進められていることです。
加盟組合の自治研活動
各単位組合でも、日ごろの仕事のあり方、自治体の政策・計画・財政などの研究活動にとりくんでいます。仕事の後に集まってガヤガヤと交流したり、数カ月の準備期間をもって住民参加の「集い」をひらいたり様々です。「良い仕事をしたい」「誇りをもって働きたい」の想いでとりくんでいます。
地方自治憲章(案)
憲法地方自治法50年の節目にあたる 1997年3月1日、自治労連が事務局となり、20団体が構成する「地方自治憲章運動をすすめる会」が「地方自治憲章(案)」を発表しました。
いま、国による地方自治への激しい干渉のもとで、地方自治が重大な岐路に直面しています。住民の安全・健康・福祉の保持という地方自治体が果たすべき役割の歪曲を許さず、憲法が掲げるくらし、人権、民主主義を地域で実現していくための指針として、「地方自治憲章(案)」の議論を広げ、深めていただきたいと考えています。